この記事は1年前のオンラインサロン西野亮廣エンタメ研究所の過去記事です。
2018年5月21日
表でコメントしちゃうと、切り取られて間違って伝わるので、コチラで。
栗城さんの訃報をニューヨークのホテルで聞いた。
深夜の2~3時だった。
以前(たしか6度目のエベレスト挑戦前に)「激励会があるんです!西野さん、来てください!」と御本人から連絡があって、有楽町の酒場に行った。
「登山の最大目標は生きて帰ることなので、ヤバくなったら、いとも簡単に引き返してきますww」と冗談を飛ばしていて、まわりにいた人達も誰一人として「登頂目指して頑張れ」とは言わなかった。
その一連のやりとりを見ていて、「栗城さん、死んじゃうんじゃないかな」と思って、帰り道、一人になった瞬間に有楽町のど真ん中でオイオイ泣いた。
登頂するまで挑戦を続けて、その都度、命を落とす可能性があるなんて、あまりにもリスクが高すぎるじゃないか。
「いっそのこと登山資金が集まらなかったらいいのに」と思った。
「栗城さんが、世の中から飽きられてしまえばいいのに」とも思った。
そうすれば命を落とすこともない。
だけど、その人生が栗城さんにとって幸せかというと、そうでもないことも分かる。
「安心安全、人と同じ」では生きられないから、登山家を選んだわけだ。
「たとえ死ぬリスクを背負っても…」
挑戦者は、そんな病を抱えている。
僕もそうだから、よく分かる。
今回の事故を受けて、「だから、言わんこっちゃない」と言う登山家が出てくるだろう。
中には、「支援した人にも責任がある」と言う人も出てくるだろう。
心ない批判もあるだろう。
もちろん、チーム栗城は、それらの声を甘んじて受けなければならない。
だけど、そんな単純な話ではない。
そこにあるのは、「挑戦する病を抱えた人間が、『安心安全、人と同じ』で生きる人生は、本当に生きているのか?」という、決して本人以外の人間には決着のつけられない問いだ。
僕らのような他人の道徳で易々と結論できるものじゃない。
栗城さんは、死んだように生きるのが嫌だったんだろうな。
んなことは2000%分かってるんだけど、でも、生きて帰ってきて欲しかったな。
何やってんだよ、バカヤロウ。
挑戦する姿勢を教わったし、
生きて帰らなきゃいけないことも教わった。
栗城さんには、最後の最後まで教わりっぱなし。
また、呑みながらバカ話をしたいな。
エッチをする時は、一本しかない指をどうやって使っているのかを聞きそびれた。
たくさんの感動をありがとうございました。
ゆっくり休んでください。
合掌。
2018年5月22日
ニューヨークで連日遊び呆けてる西野です。
一日の終わりには一応、パソコンに向かっていて、日記を書くように次回作のビジネス書の執筆をしています。
一冊の本として出す時は、ゴッソリと削っているかもしれませんが、オンラインサロン特典として、原稿の一部を公開。
以前、お客さんから聞いたスタンリー・キューブリックの話を元に書きました。
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『スタンリー・キューブリックは未来が見えていた?』
前作『革命のファンファーレ 〜現代のお金の広告〜』には、絵本『えんとつ町のプペル』の無料公開を批判した人達に対して、「無料化の波は、もう避けられないので、今のうちに別の場所でマネタイズできる準備をしておかないと、まもなくやって来る無料化の波に飲まれて死んじゃうよ」と書いた。
それから約半年後に漫画界に無料海賊版サイトの「漫画村」という大波が押し寄せてきて、無料化を批判していた多くの漫画家さんが飲み込まれちゃった。
あまりの予言的中っぷりに、「漫画村」の仕掛け人がボクだと疑われたほど。
ただ、これに関しては「予言」でも「予測」でもなくて、「アレとアレが無料になったので、当然、次はコレが無料になるよね」という、「知っているか・知らないか」の話。
たとえばキミが、他の人よりも少しだけ早く「自動改札機」というものが世の中に出ることを知っていたら、駅の改札で切符を早く切る技術を競っている駅員さんに対して「そろそろ、それ、辞めた方がいいですよ」と思うよね?
その感じ。
ボクは知っていることを本に書いただけ。
ちなみに、この本の1章と2章に書いたのも「知っていること」で、事実だ。
その事実を受けて、「どう立ち振る舞うか?」を書いたのが、1章と2章。
ただ、最後の3章はそうじゃない。
映画監督スタンリー・キューブリックが1968年に発表した『2001年宇宙の旅』には、50年後の現在に使われているものが普通に映っている。
読みたい記事のタイトルに触れると画面が拡大され、細かいディテールを知ることができる「タブレット」のようなものまである。スマホだよね。
これに対して、「キューブリックは予言者だ」と言う人もいるし、「キューブリックは当時の最新テクノロジーを徹底的に勉強したから、未来予測の精度が極限まで上がっていた」と言う人もいる。
いろんな見解があるけど、ボク個人的には、こんなことを思う。
《キューブリックが描いた未来に心を奪われた子供達が、「キューブリックが描いた未来」を未来で実現した》
『2001年宇宙の旅』を観て開発者になる道を選んだ人間の脳みそには、「キューブリックが描いた未来」の映像が入っている。
その脳みそから絞り出されたアイデアは、「キューブリックが描いた未来」からインスパイアを受けていると考える方が自然だよね。
または、もっと単純に、「『2001年宇宙の旅』に出ていたタブレットを作りた〜い」と考えた開発者もいたかもしれない。
つまり「心を奪うほどの魅力的な未来は現実化する」という話。
時代の波に抗わず、しなやかに対応して生きていくのも一つ。
でも、せっかくなら、今この瞬間にボクたちで魅力的な未来を描いて、その方向に時代が進むところも、ほんの少し見てみたい。
友達やオンラインサロンの皆と、よくそんな話をしている。
最後にお話しするのは、ボクたちが描いている未来の話。
現実化が待てずに、実は途中まで進めているんだ。
【DJバス】
堀江さんから『THE RIDE』をオススメされたので、乗ってみた。
観光バス2.0
これ、日本でもやれるし、むしろトーク部分は要らなくて、景色に合わせて、DJをしてもらえれば最高。
やろうぜー!
大谷さん、絶対に参加してー!
これ、地方も盛り上げれるー。
誰かDJができる貸しバス探してー
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