Zip&Candyの元ネタ

この記事は1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事です。
2019年5月26日

おはようございます。

いつも頑張ってくれている田村Pへ、ニューヨーク旅行をプレゼントすることにしたのですが、チケットやホテルの手配が面倒なので、「お金だけ出すから、自分の分は自分で手配して」とお願いしたところ、ビジネスクラスと良い感じのホテルを押さえやがって、100万円ぐらいの見積もりを出してきたので、帰国後に蹴り殺そうと思っているキングコング西野です。

さて。

このサロンには、毎日毎日、ビジネスに関する考察を投稿しているのですが、お忘れかもしれませんが、そこそこ売れっ子のファンタジー作家なので、今日はビジネス話を少しお休みして、『作品』の話を。

━━━━━━

絵本の元ネタ

━━━━━━

数年前に『Zip&Candy ~ロボットたちのクリスマス~』という作品を発表しました。

最新型ロボットの「ジップ」君と、旧型ロボットの「キャンディ」ちゃんの恋物語です。

最新型ロボットのジップ君が、研究所から外に出ることを禁止されている旧型ロボットのキャンディちゃんを、半ば強引に外に連れ出して、外の世界をアレやコレやと見せてあげる(教えてあげる)わけですが、ある日を境に、キャンディちゃんの物忘れが激しくなります。

キャンディちゃんの物忘れが激しくなった原因を探ったところ、「旧型ロボットのキャンディちゃんは、最新型ロボットのジップ君のように、記憶できるデータの容量がそこまで多くなく、容量がパンパンになっているのに、それでもインプットを続けると、古い記憶から順に上録りされていく(カセットテープの感じ)」ということを知ります。

良かれと思ってアレやコレやと教えてあげていたジップ君は、大好きな彼女の昔の記憶を奪っていたわけですね。

「さあ、どうする?」というところから始まる物語なのですが、僕はハッピーエンドしか描きませんので、御安心ください。ハッピーエンドに着地します。

『ジップ&キャンディ』という物語は、僕と、晩年、ボケが進行して物忘れが激しくなり、ついには僕のことを忘れちゃった僕の婆ちゃんとの話が元ネタとなっております。

病院に入院していたら、ボケが進んでしまうので、婆ちゃんの手を引いて、病室から連れ出して、『はねるのトびら』の収録現場に連れていったり、妻夫木聡君とのコンパに連れていったりしたんです。

コンパのメンバーは、妻夫木君、僕、婆ちゃん、母ちゃん、そして、インパルス堤下君です(*^^*)

つまり『ジップ&キャンディ』というのは僕の自叙伝なんですね。

ちなみに、『えんとつ町のプペル』は、夢を追いかけようとしたら日本中から叩かれた僕と、僕をサポートしたことで叩かれた僕の友達やスタッフとの話が元ネタです。

━━━━━━

自叙伝を書け

━━━━━━

先日、『トイ・ストーリ3』や『モンスターズ・ユニバーシティ』のアートディレクターの堤さんと呑んでいた時に、ピクサーの監督陣が、ジョン・ラセター(ピクサーを率いているオジサン)から何度も言われる言葉を教えてくださいました。

その言葉が、こちらです。

「マーケティングなんかするな。自叙伝を書け。それが一番のマーケティングだ」

なんだか『ヒットの法則』のようなものをバチバチに研究しているように思える、あのピクサーの映画作りの根幹にあったのは「監督の極めて個人的な作品」でした。

恐れ多いですが、す~ごく分かります。

自叙伝を書いた時に発生する「執念」めいたものは、マーケティングからは生まれることはありません。

『ジップ&キャンディ』を描いた時は、何度も何度も婆ちゃんとの思い出がよぎりましたし、

『えんとつ町のプペル』を描いた時は、日本中から叩かれ続けた日々の記憶が何度も何度も蘇りました。

そのことが「もっと、もっと」と作品のブラッシュアップに繋がり、説得力に繋がり、結果、お客さんに伝わるのだと思います。

なので、作品を作る時は、世間で何が流行っているかを探るよりも、自分の記憶を遡って、“感情が大きく動いた日の出来事”を探した方がイイかもしれませんね。

作品に限らず、会社やサービスを作る時も同じかもしれませんね。

やっぱり『自叙伝的』な会社やサービスは強いです。

ちなみに、『チックタック~約束の時計台~』は、ある日、突然失踪しちゃった梶原君と、梶原君を待つことに決めた僕との物語です(*^^*)

今日は、力強い作品制作の根底にあるモノの話をお届けしました。

現場からは以上でーす。

【追伸】

『チックタック~約束の時計台~』のAmazon限定バージョンが出ました。

かなりイイ感じです(*^^*)

西野亮廣エンタメ研究所の入会ページのリンクはこちら

コメント

タイトルとURLをコピーしました