西野亮廣講演会の演出

この記事は1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事です。
2019年6月11日

おはようございます。

昨日、タクシーを仕事場に向かっている途中、車体か路肩にこすってしまって、運転手さんから「こすっちゃったんで、ここで降りてもらっていいですか?」と言われ、「タクシーって、そんなシステムあったっけ?」と思っているキングコング西野です。

さて。

何度も何度もお話ししていることですが、西野亮廣講演会の主催者さんが「演出」を入れると100%スベります。

それもそのハズ。お客さんが求めているのは『主催者(イベント素人)さんによる演出』ではなくて、『西野亮廣のお喋り』で、くわえて、西野亮廣の講演会に来る人の中には、過去に、“西野主催のイベントに来たことがある人がいて”、そうなってくる『と主催者(イベント素人)さんによる演出』の比較対照は『西野亮廣の演出』になります。

僕は「お笑い」はそれほど得意ではありませんが、「演出」で世に出てきた男でして、キングコングを「脚本・演出」して、絵本を「脚本・演出」して、個展(『光る満願寺展』など)やイベント(『天才万博』や『サーカス!』)もトコトン演出してきました。

場合によっては、その「演出」を実現する為に、数年がかりで、予算を調達することもあります。

西野の演出を相手どった時の、素人がひねり出した「演出」の“みすぼらしさ”ったらなくて、講演会終了後にTwitterを見ると「主催者の余計な演出は要らないから、はやく西野を出せ」という声が噴出しています。

「一番頑張っている主催者が一番嫌われる」という悲しい結果になってしまうので、講演会を主催してくださる方には「くれぐれも余計な演出は入れないでください」と(口すっぱく)お願いしているのですが、それでも「演出」を入れて、ズルズルにスベった状態でステージのバトンを渡されるということか頻繁に起こっています。

素人が100メートルを9秒台で走れないように、

素人がトリプルアクセルを飛べないように、

素人はイベントの演出はできません。

「やってみなくちゃ分からない」と思われるかもしれませんが、「演出」は《センス》じゃなくて、《筋力》なので、素人は“筋力不足”で物理的に不可能です。

その辺りを踏まえて、何卒、宜しくお願い致します。

さて、そんなことを言いながらも、今日は「演出」についてお話しします。

(※このサロンの中には、舞台関係者もたくさんいらっしゃるので)

先日まで、1週間ほどニューヨークに行っておりました。

夜はブロードウェイのミュージカルを毎晩観に行ったわけですが(ちなみに僕が一番好きなのは『SLEEP NO MORE』です)、『Frozen(アナと雪の女王)』は、先日もお伝えしたとおり、これまで見てきたブロードウェイミュージカルの中で、過去最低の出来で、とにかく演出が稚拙でした。

「芸」がなかったのは、プロジェクションマッピングの使い方で、エルサが触った壁がプロジェクションマッピングでバキバキバキバキーと凍っていくわけですが、このアイデアがもう「5年前かよ」とツッコミたくなるぐらい田舎臭くて、恐ろしいことにその技を何度も披露するんですね。

「それでもお客さんが入っている」というところに『アナと雪の女王』の凄まじさがあるわけですが、仕事内容としては3流でした。

一方で見事だったのが『ハリー・ポッター』の演出で、中でも一番感動したのが「プロジェクションマッピング」の使い方です。

主人公達が過去(別の場所)にワープするシーンで、それは行われたのですが、まずはステージ上にある時計の針が高速で逆回転を始め「おお、過去にタイムスリップするんだな」という雰囲気を煽ります。

そして次の瞬間、ステージ上にある全てのセットの「輪郭」を、プロジェクションマッピングで2~3秒だけ「グラグラッ」と揺らせるんです。

たったそれだけなのですが、観客はそこに「時空の歪み」を見て、そこからの物語の没入感がハンパねぇのです。

『ハリー・ポッター』で使用されたプロジェクションマッピングは、この2~3秒だけです。

『アナ雪』と『ハリー・ポッター』のプロジェクションマッピングの違いは何かというと、『アナ雪』は「映像」を見せて、『ハリー・ポッター』は「舞台」を見せたんですね。

で、結論申し上げますと、「映像を見せるプロジェクションマッピングなんて、5年前に終わってるよ」という話です。

ときどき、田舎のイベントで「◯◯にプロジェクションマッピングをしまーす」というのを見ますが、「◯◯を映像をのせるためのスクリーン」としか捉えていない場合があって、途中から「これ、◯◯である必要がなくね?」と思わされます。

僕らはもう、世界トップレベルのプロジェクションマッピングをYouTubeで見てるんですよね。

プロジェクションマッピングを「映像」として見せてしまった時点で、その比較対照が世界チャンピオンになってしまうので、「映像」として見せてしまった時点で負けですね。

それともう一つ。

最後の最後で観客の心をうつのは、チームの覚悟であり理念で、『ハリー・ポッター』という「魔法」を売りにした物語(映像で見せれば、いくらでも魔法が表現できる物語)なのに、「映像」という表現に逃げなかったというところに、「僕たちは『映像作品』ではなくて、『舞台作品』を作る」というチームの覚悟を見て、震えました。

シルク・ドゥ・ソレイユの『キュリオス』もそうで、「透明サーカス」という演目があるのですが、その演目の出演者は「透明」で、ステージ上では、「空中ブランコ」や、「ライオンの火の輪くぐり」が、おこなわれているのですが、誰もいないんです。

そこにシルク・ドゥ・ソレイユが劇団立ち上げ当初から貫いてきた「僕たちは、スター団員やライオンを出演させることで集客をしないぞ」という覚悟(理念)が見えて、そのメッセージが届いた瞬間に震えるわけですね。

なんだかオタクみてぇな内容になってしまいましたが、エンターテイメントで感動を生むには、最後の最後は『覚悟』と『理念』で、「僕たちは◯◯をやって、◯◯をやらない」と決めてきっているチームは強いですね。

現場からは以上でーす。

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