ホリエモンと世間のギャップ

この記事は1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事です。

2019年10月13日

おはようございます。

名古屋→岡山→大阪→フランスという桃鉄のような毎日をお届けしているキングコング西野です。

さて。

今日は「情報は常に最適化されている」というテーマで、(うまく言語化できるか分かりませんが)お話ししたいと思います。

先週、『手取り14万。日本終わってますよね?』が少しバズりました。

多くの人が賛同する中、「お前が終わってんだよ」と“自己責任論”を展開し、大炎上をしたホリエモン。

さすが、ホリエモンは今日もホリエモンです。好きです。

この件について僕の見解を少しだけお話しすると…

(極端な例ですが…)たとえば僕たち『芸人』は朝から晩まで頭を悩ませてネタを作って、稽古をして、劇場でネタを披露して、一ヶ月の手取りが1000円を切る場合があります。

…はい、そうです。1000円以下は、銀行でおろせません。

芸人は、こんな貧乏生活が10年続いたりすることもザラにあるわけですが、だからといって「日本終わってる」とは1ミリも思いません。

その生き方を自分で選んだからです。

僕ら芸人には、頑張って良い大学に行って、頑張って大企業に入って、安定した収入をもらえる…という“選択肢”がありましたが、その道を選ばず、吉本興業の門を叩きました。

当然、この世界に飛び込んだ以上、安定した収入が得られないのは承知の上です。

仕事柄、いろんな国に行かせてもらっていますが、たとえば、フィリピンの『ハッピーランド』などは“選択肢”がなく、本当の意味での貧困の連鎖が続いています。

https://m.huffingtonpost.jp/ted…/happyland_b_17549600.html

他方、日本は選択肢に溢れていて、僕もあなたも自分が選んだ生き方で生きています。

学生時代に努力をしないことを選んだのも自分だし、一人育てあげるまでに2000~3000万円かかるの分かっているのに子供を生むことを選んだのも自分です。

大前提として、『選択肢がある以上は自己責任』で、少なくとも(選択肢に溢れた)今の日本で生きる以上は自己責任だと思っています。

ただ、ここで「自己責任だから」と切り捨てたくはないので、一旦、『手取り14万円。日本終わってますよね?』と言う人達に寄り添って考えてみたところ、こんな答えが出てきました。

『彼らには選択肢が無かった』

今、生活の手助けをしてくれるサービスなんて山ほどあって、キチンと設計すれば、手取り14万円で十分すぎるほど生きていくことが可能です(※そもそも僕の生活費は月に8万円ぐらいです)。

転職したければ『キャリオク』に登録しとけばいいし、+αで稼ごうと思えば、隙間時間を利用して、クラウドソーシングで仕事を請ければいい。

ここでの疑問は、「そもそも『手取り14万円。日本終わってますよね?』という人達は、生活の手助けをしてくれる様々なサービスや、キャリオクや、クラウドソーシングのことを知っているのか?」という点です。

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僕やホリエモンは“知っている”ので、「選択肢があるじゃん!自己責任だよ」となるのですが、きっと彼らは“知らない”ので、彼らからすると選択肢が無いんですね。

そんな中、「自己責任だよ!」と言われても、まったく入ってこない。

ここにズレがあるのだと思いました。

となってきたら、「なぜ彼らは知らないのか?」を掘り下げる必要があって、彼らのメインの情報源を突き止める必要があります。

おそらく、「テレビ」ですね。

これに関しては、僕もその現場に何度も立ち会っているので分かるのですが、たとえば2015年5月に、「クラウドファンディングでお金を集めて、クラウドソーシングでスタッフを集めて、絵本『えんとつ町のプペル』を分業制で作ります」と掲げた時に、テレビで扱ってもらったのですが、僕の扱われ方が「炎上芸人」で、「奇をてらっている人」で、「クラウド何チャラという怪しい詐欺サービスで、金集めをしているヤツ」だったんですね。

「クラウド? は? 何言ってんのオマエ。ケケケww」と言った調子です。

次の時代の僕らの重要な選択肢の話をしているのに、それをテレビが臭して終わらせたのには理由があって、『手取り14万円。日本終わってますよね?』と言っちゃうような人達に、番組内容を“最適化”しているんですね。

人類を前に進めることよりも、視聴率を稼ぐことを選んだわけです。

筆が走っているので、正直に言わせていただくと、「テレビを長時間観ている人の知識の量と選択肢の数の少なさ」はハンパねぇです。

結構、絶望的です。

ただ、これをテレビの責任にしてほしくなくて、そもそもテレビは「視聴者の鏡」で、ワイドショーがタレントのクソ不倫話に何時間も割いているのは、視聴者がそこにチャンネルを合わせているからです。

自分よりも不幸な人の情報を求めているからです。

「テレビも視聴者も、どっちもどっち」と言ったところでしょうか。

非常に危険だなぁと思うのは、タレントの不倫を面白がる視聴者の知識レベルに最適化するようにテレビを作っているうちに、テレビマンの知識レベルもそこに寄っていってしまって、「選択肢を知らない人が、選択肢を知らない人に、情報を発信する」という地獄モードに突入し、『手取り14万円。日本終わってますよね?』に着地します。

ただ、これは他人事ではなくて…

僕の元に入ってきている情報も、僕に最適化された情報で、僕のところに辿り着くまでに情報が厳選され、選択肢が絞られています。

そして、もう一つ。

SNSの『いいね』は非常に大きな問題だと思っていて、少しでも気を抜くと、僕らは「『いいね』が貰えるような投稿」をしてしまいます。

発信内容を、フォロワーさんに最適化してしまうわけですね。

これは作り手の知識レベルが視聴者の知識レベルに寄っていってしまうテレビとまったく同じ構造です。

これを続けると、最終的には自分じゃなくなるんですね。

(※だから、このサロンでは『いいね』の締切を設けています)

僕らが踏まえておかなくちゃいけないことは、「自分のところに入ってくる情報は自分に最適化されている」ということでしょうか。

このことを受けて、情報を入れ換えて、選択肢を増やそうと思うのなら、「インターネット」ではなかなか難しくて、たぶん、物理的に移動して、目や耳や口に入る情報を一新する必要がありそうです。

東京に住んでいても、入ってくる情報のルートが固まってきたので、そろそろ引っ越します。

現場からは以上でーす。

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