『空間』や『集客』をデザイン

この記事は1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事です。

2019年11月4日
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おはようございます。
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さて。
今日は『「空間」と「集客」を考える」というテーマで話してみようと思います。
これまでも何度も言っていますが、インターネットによって情報が共有&コピーできるようになり、サービスのクオリティーで差別化が図れなくなってきた時代に、足を運んでもらうには『人』しかないと思っています。

『人』というのは、そこで働く人の「信用」や「物語」、そして、そこに集まる『お客さん』のことです。
今日は後者についてお話ししたいと思うのですが、結論から申し上げると、「お客さんが集客装置(店に足を運ぶ理由)になる割合」が増えると思います。
「○○を食べたいから、あの店に行こう」から「あの店に行ったら、客席にいる○○さんがいるから、あの店に行こう」といった感じで。
まさにスナックですね。
僕は『モナリザ』は一回見れば十分ですが、『ホームレス小谷』とは何千回も会っても、まだ会おうとします。

少なくとも西野亮廣の中では世界的名画が一人のホームレスに負けたわけですが、このことから、「作品」よりも「会話(コミュニケーション)」の方がエンタメ性が強く、同じことが2度とないので、リピーターになりやすいことが分かります。

ところで、来年5月中旬から大阪のLUCUAさんで約1ヶ月間ほど『にしのあきひろ光る絵本展 ~光の庭園~(仮)』という個展をやらせていただくのですが、この個展が先日のエッフェル塔の個展と大きく違うのは「開催期間」です。

今回は「1ヶ月間」なので、リピーターが生まれるようにデザインする必要があり、その答えは「作品」ではなく、「お客さん同士の会話(コミュニケーション)が発生する空間」だと僕は考えます。
作品の展示スペースを削ってでも、お客さん同士が接着する「たまり(場)」を確保するつもりです。
これはオフラインのイベントや、お店に限った話ではなくて、一部のウェブサービスにおいても、「たまり」の設計というのは、これから非常に重要になってくると思います。

他方、「作品スペース」はうって変わって(なんなら、声を出すのも憚るほどの)世界観を作り込み、お客さんの想像をブッちぎる責任が、作家の僕にはあります。
今回の展示スペース(添付した画像の一枚目)を見ていただきたいのですが…ちなみに、皆さんは、この空間を異世界にする上で、一番ネックとなるのは何だと思いますか?
僕が見るかぎりだと「天井の高さ」です。

調べたところ天井の高さは「3m」、消防法(スプリンクラーが噴射するスペースの確保)がありますので、この空間に置けるモノ(壁)の高さ制限は「2m40cm」です。
つまり、頭の上に「60cm」のスペースがポッカリ空いてしまって、そこから現実感溢れる白い天井が見えてしまうんですね。
高さ「2m40cm」のファンタジー世界をどれだけ作り込んでも、天井を見られてしまうと、一気に現実世界に引き戻されています。

さて、どうしたもんでしょうか?
ここからがプロの腕の見せ所なのですが、普段の僕らの首の上下の可動域は以外と狭いです。
この一週間で、首を真上に動かしたことがある人はほとんどいないと思います。
「360度世界」が売りのVRをやるとよく分かるのですが、僕らは、あまり首を動かしていません。
積極的に動かしているのは「目線」で、人間の視界は上は60度までしか見えていません。
つまるところ、僕らが確認している『天井』は、「自分の真上の天井」ではなくて、目線の先にある「少し前の天井」です。

高さ「3m」のイベントスペースでは「2m40cm」のモノ(壁)しか置くことはできませんが、(スプリンクラーの場所を確保しながら)天井から70~80cmの黒幕を電車の吊り広告のように連続して垂らすことができれば、僕らは自分の真上を確認することをほとんどしないので、現実感溢れる天井を隠すことができます。

ここから先は会場の方との交渉で、この案にNGが出れば、「であれば、このパターンは…?」とナンジャカンジャ言いながら、イメージに近づけていきます。
こんな調子で、「時代背景」や「人間心理」や「首の可動域」を計算しながら、『空間』や『集客』をデザインするのが、僕らのお仕事です。
LUCUAの個展に関しては、今後も進捗状況を逐一共有していきますね(^-^)
現場からは以上でーす。
【追伸】
建築士の只石さんのインターンの募集の締め切りが今日まででーす。

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