マーケティングの無意味化

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この記事は1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事です。

2020年6月11日
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おはようございます。
「西野さんがオンラインサロンを継続する上で一番難しい点はどこですか?」と訊かれ、「冒頭のツカミの挨拶です」と答えたキングコング西野です。
さて。
今日は『【超現代版】マーケティングとの向き合い方』というテーマでお話ししたいと思います。
新型コロナウイルスが僕らに贈ってきたメッセージは「もっと繋がれ」であり、『ファンがいないサービスは死ぬ』という結果を明らかにしました。
これはそのまま20年代を生き延びるルールで、僕らはもっともっと『ファン』というものと向き合わなければなりません。
それは「ファンを大切にする」といった表面的な部分だけではなく、
「どうすればファンが生まれるのか?」
「努力をしているのにファンが生まれない原因(落とし穴)は何なのか?」
という部分を掘り下げて考え、検証していく作業です。
その時、肝になってくるのが『マーケティング』です。
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▼ マーケティングって何だろう?
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マーケティングの定義は人によって様々です。
「顧客の創造、維持を目的とする企業が、その目的を満たすような交換を顧客とのあいだに生み出すために、アイデアや財やサービスの考案から、価格設定、プロモーション、流通に至るまでを計画し実行するプロセス」
と言う人もいれば、
「どのような価値を提供すればターゲット市場のニーズを満たせるかを探り、その価値を生みだし、顧客にとどけ、そこから利益を上げること」
と言う人もいます。
…なんだか難しい言葉が並んでいますが、どうやら「需要を調べ、その需要に対して効率良く商品を売っていく作業」みたいな感じっぽいです。
ちなみに天才マーケターと称されるキングコング西野は、マーケティングを『ただのクイズ』と定義しています。
市場を調べて、求められている商品を探り、その商品を適切なアプローチで届ければ答えが出るものなので、作業内容としては「ナゾナゾに答える」や「クイズを解く」に分類されると思います。
そこには確かな答えがあり、「解く楽しさ」があるので、多くの人が『マーケティング』にハマります。
一昔前までは、マーケティング能力(クイズを解く力)さえあれば食っていけたのですが、コロナが明らかにしましたが、これからはマーケティング能力だけで食っていくことは厳しくなるでしょう。
理由は「マーケティングでは『ファン』ができないから」です。
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▼ ファンのいないTVタレントが総崩れした
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クイズ番組が流行ればクイズを学び、グルメ番組が流行ればグルメの資格を取り、情報番組が増えれば政治・経済を学び、そうやって多くのTVタレントは、市場を調べて、求められている商品(タレント像)を探り、その商品を適切なアプローチで届け、今日を生きています。
テレビ制作側からすると、この努力(マーケティング)をしてくれるタレントほど使い勝手のいいタレントはいません。
番組スポンサーがお金を出すに値する企画を視聴者に届ける宣伝マンとなってくれるわけですから、TVタレントとしては重宝されます。
ただ、ここには『スポンサー』『テレビ局』『番組制作』『タレント』『視聴者』は設計に組み込まれていますが、残念ながら『ファン』が組み込まれていません。
踏み込んだ言い方をすると、番組企画には、そのタレントのファン創造まではデザインされていません。(#ゴッドタン等を除く)
これによって生まれるのは「認知タレント」であり、「人気タレント」ではありません。
この僅かな傷は、需要があるうちは目立ちませんが、今回のコロナのように「しばらく収録は無理です」「しばらく劇場もストップします」といった感じで、需要が消えた瞬間に、一気に傷口が拡がります。
そこから慌ててYouTubeを始めたところで、
そこから慌ててオンラインサロンを始めたところで、『ファン』がいないのでハマりません。
クイズを学び、グルメの資格を取り、政治・経済を学んだあの時間(努力)は、需要が無くなった瞬間に自分を守ってくれなくなるわけですね。
これを僕は「マーケティングの無意味化」と呼んでいます。
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▼ 「マーケティングの無意味化」が連続して起きる時代へ
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マーケティングは必要です。
ただ僕らは、「今おこなっているマーケティングは、まもなく無意味化する。そして、無意味化するまでの間隔が年々短くなってきている」ということを踏まえて、自分の行動を設計にしていかなればなりません。
変化が早い時代を「縦軸(y)=結果」「横軸(x)=マーケティング」の座標軸にすると、右肩上がりに伸びていたグラフが都度都度リセットされ、そして、リセットされるまでの間隔が時間の経過とともに狭くなっているイメージです。
当然、yの値は小さくなっていきます。
変化の時代を攻略する上で求めれている公式は『y=aのx乗』で、「y=結果、a=メッセージ(理念)、x=企画(回数)」です。
「結局、お前は何をしたいんだ?」という『a』がゼロの状態だと指数関数的に増えていかない(xが増えるにしたがって、yが急激に増えていかない)んです。
「弱い人を守る」と言っているキングコング西野が、ワイドショーに出て、不祥事を起こしたタレントにコメントをして、傷口に塩を塗るようなことをしてしまと、メッセージに矛盾が生まれて『a』の値が落ちるんですね。
ここは絶対に落としちゃダメな数字なのですが、世の中にある多くのマーケティングは『a』の値を軽く見積もっています。
短期的にバズらせることはいくらでも可能ですが、それをやることによって『a』の値が落ちることが長期的に見ればマイナスで、さらに、変化の時代(需要が高速で変わる環境)では、むしろ【マーケティング的】に失敗です。
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▼ 「お前のメッセージは何だ?」
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つまるところ、僕は今「お前のメッセージは何だ?」という質問を喉元に突きつけられていて、この質問に簡潔に答えられるか否か…もっと言うと「自分のメッセージ(a)を育てること」が、従来のマーケティング戦略で叫ばれているような「需要に対して正しいアプローチをすること(バズらせること)」よりも価値を持ちはじめているのだと思います。
コロナ期間中、NORA美容室が10万円の『年間フリーパス券』を出されていて、「売れれば売れるほど赤字になる」と言って、泡を吹いて死にかけていましたが、それによって『a』が育つので、打ち手としては大正解だと思います。
ファンがいないと生き延びれない時代において、『メッセージの一貫性=キャラ』の重要度は明らかに上がっているので、てっとり早く手を打てるところから言うと、「メッセージの一貫性を壊してしまうような仕事」は潔く切った方がいいと思います。
「いや、でも…」を言い続けて、今のまま「当てにいって、リセットして…」を繰り返すと、後にいけばいくほどyの値(蓄え)が減って、手詰まりになると思うので、ここらで見なしてみることをオススメします。
現場からは以上でーす。
【追伸】
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西野亮廣エンタメ研究所の入会ページのリンクはこちら→https://salon.jp/1hc1srjr-johu-o7eg-33xn-r8u88p2slizf

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