リーダーの仕事

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この記事は1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事です。
2020年7月15日
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おはようございます。
次回の『毎週キングコング』は下手すると過去最長の放送となるのですが、散々引っ張った挙げ句、オチが著しく面白くないので先に謝罪させていただくキングコング西野です。
#キングコング
#お笑い苦手
#テレビは緊張して力が出せない
さて。
今日は『リーダーの判断』について、お話ししたいと思います。
映画『えんとつ町のプペル』に関する表に出せない話になるので、今日の記事は一年後もナイショにしておいてください。
#エンタメ研究所の記事は一年後に表に出してもいいルールになっています
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▼ リーダーの仕事は何か
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プロジェクトリーダーを務めるウチの若手連中には、「全員の意見に耳を傾けて、最後は独裁しろ。そして一切の罰を背負え」と伝えています。
#こんな怖い言い方はしないけども
のしかかる問題に確かな正解があれば、リーダーは必要ありません。
リーダーは常にトロッコ問題(ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?)に迫られていて、どう判断しようが、そこに犠牲者は生まれます。
ここから逃れる唯一の方法が「多数決」(※「皆が決めたんだからね」という逃げ)ですが、多数決で物事を進めるのであれば、これまたリーダーは必要ありません。
熊本の水害は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、ボランティアは「県内在住者」に限定されました。
それにより、現場に足を運んだ県外からのボランティアは袋叩きにされ、ある人は宿を追い出されました。
目の前で起きているのは「火事」で、建物の中には、まだ子供が残っている。
そんな中、「インフルエンザが流行っているから、助けに行くのなら予防注射を受けてください」と言われるような……そんな選択に迫られているのが県外ボランティアです。
被害の状況を目の当たりにし、また深刻な人手不足を目の当たりにしている一部の県外ボランティアは、宿を追い出された後も被災地に残り、作業を続けることを決めました。
被災地で活動を続けているスタッフから、その報せを受け、「宿を追い出されたのに、どこに泊まるのか?」と聞けば、「車中泊です」と返ってきたので、すぐに県外(通える距離)に宿をとり、彼らの宿代を個人で負担させていただくことに決めました。
この判断が何を意味しているかは承知しているので、僕は全ての罰を受けます。
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▼ 映画『えんとつ町のプペル』の主題歌
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ところで、西野のクセに、映画『えんとつ町のプペル』の制作過程を、あまり世間に共有していないのは不思議じゃありませんか?
常日頃、「作る過程からお客さんを巻き込む」と言っているんだから、会議の様子を生配信しても良さそうじゃないですか。
ただ、なかなか難しいのがブッキング(キャスティング)の問題です。
「声優は、Aさんより、Bさんの方が良くないですか?」という会話が飛び交っており、Aさんの手前、さすがにそれを生配信するわけにはいきません。
ただ、これからお話しすることは、「西野の判断基準。その意図」に関するお話しなので、名前を出して、お話ししたいと思います。
#絶対にナイショだよ
▼映画『えんとつ町のプペル』の主題歌(エンディングテーマ)の歌い手さんについて。
まずは、ずっとずっと以前に「主題歌をどうするか?」という話が挙がりました。
映画の規模も大きいので、多くのファンを抱えている(映画にファンを流してくれる)大物アーティストにオリジナルソングを作ってもらうことも可能でした。
広告的な話をすると、映画に合わせて大物アーティストにオリジナルソングを作ってもらえれさえすれば、音楽番組で映画の宣伝をすることができます。
ミュージックステーションで、「映画『えんとつ町のプペル』の主題歌」として紹介してもらえるんですね。
もちろん、映画『えんとつ町のプペル』を取り巻く大人達は、その展開を望むわけですが、僕はもう何年も何年も前から、絵本用に作った曲(キングコングがカバーしている曲)が、たくさんの方に愛されている現場に立ち会っています。


絵本から映画になった途端…もっと言うと、映画のマーケティングの為に曲を差し替えるのは、これまで『えんとつ町のプペル』を愛してくれた彼らを裏切ることになります。
それこそ、「広告」というものが力を持つのは、姿勢(メッセージ)に一貫性が出た時で、「ススにまみれた少年とゴミ人間が自分達の力で星を観るまでの物語」を描くのならば、広告もそうあるべきで、「映画用のオリジナルソングは作りません。えんとつ町のプペルのファンの方に愛されている曲を主題歌にしましょう」とスタッフ(主に大人)に伝えました。
すると、「主題歌はそれでいいので、歌い手は大物アーティストにお願いしましょう」という提案をいただきました。
スタッフの気持ちは痛いほど分かりますし、そこだけでも、多くのファンを抱えている大物アーティストの力をお借りした方がいいのは百も承知なのですが、『えんとつ町のプペル』の主題歌は、絵本発売当初から、ずっとロザリーナという(まだまだ無名の)アーティストに歌ってもらっています。

付き合いでお願いしたわけではなく、作品の世界に最も合っているのが彼女の声だと判断し、今日の今日まで歌ってもらってきました。
映画の主題歌の人選というのは少々やっかいで、それによって挿入歌の人選が限られてしまいます。
無名アーティストが主題歌を担当する映画の挿入歌を、大物アーティストにお願いすることは難しいんです。
「ロザリーナでいきましょう」と言った時、さすがにスタッフからは反対の声があがりましたが、決め手となったのは次の一言です。
「マーケティングによって作られた作品が、たとえ大ヒットしても僕は全然嬉しくありません。僕は『一緒に苦労したい人』と苦労したいです」
この一言で、映画『えんとつ町のプペル』を取り巻く全ての大人が「…もう、しょうがねぇな」と腹を括ってくださいました。
この判断によって失ったものはたくさんあります。
ただ、この判断をするのがリーダーの仕事です。
音楽の角度からのマーケティングは、そこそこ絶望的な状況で、それなりに苦戦すると思いますが、そこには、こういった意図があることを皆様と共有しておきます。
もしも気が向いたら、死にもの狂いで協力してください(笑)。
今回の判断を正解に持っていく為に、やれることは全部やります。
映画『えんとつ町のプペル』は、ずっと一緒に走ってきてくれた仲間と共に大ヒットさせます。
現場からは以上でーす。
【追伸①】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
【追伸②】
映画『えんとつ町のプペル』の公開を記念して、映画のペアチケット付きの『暑中見舞いハガキ(西野が一枚ずつ魂のサインを入れます!)』の販売をスタートさせました。
この夏限定の暑中見舞いハガキです。
2020年の思い出として大切に残しておいてもらえると嬉しいです。
https://bruno.base.shop/

西野亮廣エンタメ研究所の入会ページのリンクはこちら→https://salon.jp/1hc1srjr-johu-o7eg-33xn-r8u88p2slizf

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