ゲリラ戦と総力戦の違い

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この記事は1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事です。

2020年12月2日
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おはようございます。
久しくテレビに出ていなかったので、すっかり「素人」になってしまい、テレビカメラを向けられるとピース✌️をしてしまうキングコング西野です。
#今日はミヤネ屋さんに出させていただきます
さて。
今日は『理解で動く人。納得で動く人』というテーマで、実際に僕の仕事現場であった1つの事例をもとに、お話ししたいと思います。
メチャクチャ地味な話ですが、メチャクチャ大切な話なので、とくと聞きやがれ。
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▼ ゲリラ戦と総力戦の違い
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絵本と映画では制作に関わっているスタッフさんの数が段違いで、それぞれの戦い方は、そのまま「ゲリラ戦」と「総力戦」という呼び方に置き換えられると思います。
「ゲリラ戦」と「総力戦」とでは戦い方がまるで違っていて、「ゲリラ戦」の成功パターンを「総力戦」にそのまま転用することはできません。
一番の違いは、「意志疎通」や「信頼」の濃度だと思います。
言うまでもなく、関わる人数が増えれば増えるほど、共有の難易度が高くなります。
先日、新R25の取材で「チームをまとめる時に大切なものは何ですか?」と質問されて、『面白い朝礼』とお答えしました。
このサロン記事が(まさに)それにあたるのですが、「そこにどんな意図があって、船をその方向に進めているのか?」を、面白くする説明する作業を怠るとチームは空中分解します。
皆さんの身の回りでも心当たりがあると思います。
社員が酒場で愚痴るのは、社長の説明不足が原因です。
社長への信頼不足が原因です。
「ゲリラ戦」であれば、「言わなくても分かるでしょ」という人だけで、まわりを固めているので、この作業は必要ありませんが、「総力戦」となると話は別です。
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▼ 映画『えんとつ町のプペル』のオープニングシーンを【ノーカット】で配信するゾ
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まだ、絶対にナイショですが、今月15日の朝7時(※日時は変更になる可能性アリ)、映画『えんとつ町のプペル』のオープニングシーンを【ノーカット】でYouTubeにアップすることが、昨日、決まりました。
空から降ってきた心臓にゴミがアレコレくっ付いて、ゴミ人間『プペル』が誕生するまでのシーンです。
テレビドラマやテレビアニメですでに認知を獲得している作品と、まだまだ無名の作品とでは打ち手が違います。
すでに認知を獲得している作品だと「開けるまでのお楽しみ!」が通用しますが、僕らのようなまだまだ無名な作品がそれをやると大事故です。
ファンが一人もいないタレントが「情報解禁前なので言えません」と言っているようなもので、「貴方の能力がいかほどか分からないのに、貴方の情報が解禁されることを心待ちにする人がいるものか。とっとと情報を共有して、作る段階から仲間を増やせよ」です。
それに今は「当たるかどうか?」という博打ではなくて、「ハズれクジを引きたくない」に人の興味が向いていて、「ハズレではない」が約束されている場所に人が集まっています。
#鬼滅の刃なんてまさに
まだまだ無名作品である映画『えんとつ町のプペル』がやらなければいけないことは、「この作品はハズレではありませんよ」というプロモーションで、その為には、中身を積極的に出していくのが打ち手としては正しい。
過去、絵本の無料公開も経験していますし、きっと、そんなこと(※積極的に中身を出していった方がイイ)は、サロンメンバーの皆さんなら、「そりゃそうだよね」となると思うのですが、そうは問屋が許しません。
「映画公開まで、なるべく出したくない!」
「スマホなんかじゃなくて映画館で観て欲しい!」
という人達がいるんです。
この時、
「それは分かっています。その気持ちは私も同じです。ですが、まずは映画館に来てもらう為の導線を作らなきゃいけないんです」
と説明しても、無駄です。
理屈で生きている人ばかりじゃないんです。
「理屈<感情」で生きている人もいて、その人に対して、理屈をぶつけても意味がありません。
たとえ論破したところで、理解はしてもらえても、納得してもらえていないので、大きなパフォーマンスは生まれません。
【※注】
「理解」=意思を踏まえない
「納得」=意思を踏まえる
順番としては、まずは説明することが大事です。
説明をせずに進めてしまうと、空中分解を起こすので。
ただ、どれだけ理路整然と“正しいこと”を説明したところで、話が前に進まないことが現場では山ほどあります。
人はAIと違って、「ムラ」があるんです。
きっと、皆さんも、これまで周りに対して「なんで、わかんねぇんだよ!」と思ったことが何度かあると思います。
#御愁傷様です
もし、この先、その場面に出くわした時は、「理解」してもらうのではなくて、「納得」してもらう方向で進めてみるとイイかもしれません。
「理解できれば動ける」という人もいれば、
「納得できないと動けない」という人もいれば、「理解はできないけど、納得できれば動ける」という人もいます。
今朝、インターン生「まーちゃん」がnoteに書いていましたが、「映画『えんとつ町のプペル』の中身は出していった方がイイ」という話は、最初からずーっと言っていたんです(笑)
▼『最後は、人の「心」で動く』(https://note.com/maayamakino/n/n7b72125509a8)
まーちゃんの記事にもありますが、中身を出すことに関しては、ずっと進まなかったのですが、最後の最後になって、「(どうなるかわ分からないけど)もう、西野さんに任せましょうよ」という声が上がり、皆が「うん。そうだね」となり、今回、オープニングシーンを【ノーカット】で出すことになりました。
アニメーションに詳しい人なら分かると思いますが、『Studio4℃』というアニメーションスタジオは超職人集団なので(※だから最高!)、こんな感じで方針を変えてもらうのって結構大変なんです(笑)。
じゃあ僕は、僕の意見を通す為に何をしたかというと、徹底的に彼らに寄り添って話を聞いて、誘いがあれば部活の後輩ぐらいのスピードで呑みに行って、あとは、職人さんができないことを率先してやりました。
Studio4℃の田中社長から「吉祥寺商店街の皆さんが応援してくれるかも」と聞けば、すぐに吉祥寺の商店街に行き、商店街の皆さんと酒を酌み交わしました。
昨日、この件に関して、廣田監督からメチャクチャ御礼を言われました。
「僕たち、そういうの得意じゃないので、本当に助かりました。本当に、本当にありがとうございます」
革命に必要なのは決して「正論」や「最先端の思考」などではなく、「根回し」です。
いつもサロンにはキラキラした記事を投稿していますが、語るだけなら評論家でもできます。その考えを実行する為には、「理屈」や「数式」などでは突破できない壁が現場にはあるんです。
15日にオープニングシーンを【ノーカット】で後悔しますが、今日、この説明をしなかったら「そりゃ、西野だったら、それぐらいするよね」となっていたと思います。
広告リテラシー高めの皆様からすると「それぐらい」かもしれませんが、それを実行する為の信頼を獲得する為に、2~3年かかりました。
毎日のサロンの記事が空論になってしまうのは嫌なので、今日は「その裏では、こういうことをしていますよ」という話をさせていただきました。
今さらですが、映画『えんとつ町のプペル』の製作陣は、とても良いチームです。
この最高のチームの皆で作った作品を、はやく見せたいな。
オープニングシーン公開のバズらせ方に関しては、また相談させてください。
世界相手に作品のクオリティーでマウントをとる瞬間をお見せします。
お楽しみに。
現場からは以上でーす。
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。

西野亮廣エンタメ研究所の入会ページのリンクはこちら→https://salon.jp/1hc1srjr-johu-o7eg-33xn-r8u88p2slizf

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