この記事は1年前のオンラインサロン西野亮廣エンタメ研究所の過去記事です。
2018年7月31日
映画『えんとつ町のプペル』の制作を進めております。
昨日は、アニメーション監督や美術監督やモブ(脇役)キャラクター監督やアクション監督が集まって、プレゼン会議。
クソど素人のキングコング西野なんぞに、プロの皆様がプレゼンしてくださいます。
まだ内緒ですが、アニメーションスタジオは『スタジオ4℃』
ジャパニーズアニメの超精鋭集団です。
(コチラ↓)
モブキャラクター(いわゆる『通行人』)一体一体を全てデザインしていくのですが、200体近くのモブキャラクターのデザインを眺めながら、
「このキャラクター一体一体に名前をつけられる権利(本名限定)を販売して、エンドロールで『出演者』として名前を出しましょう。映画の中に自分が出ていたら楽しいじゃないですか」
と言い出す西野氏。
スタッフさんの仕事が増えそうです。
御愁傷様です。
西野亮廣エンタメ研究所の入会ページのリンクはこちら→https://salon.jp/1hc1srjr-johu-o7eg-33xn-r8u88p2slizf
昨日の会議で、アニメーション監督の廣田さんが、
「キャラクターはCGで作りますが、輪郭線を入れようと思っています」
とおっしゃいました。
この話が非常に面白かったので、今日は、この話をサロンメンバーの皆様に共有したいと思います。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日本のアニメには『輪郭線』がある
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
アニメーションのそんな部分に注目された方は少ないと思いますが、下に添付した画像をご覧ください。
『もののけ姫』のキャラクターには輪郭線(お肌の外側の黒い線)がありますが、
『トイ・ストーリー』のキャラクターには輪郭線はありません。
「CGには輪郭線がない」と言った方が分かりやすいかもしれません。
そもそも何故、CGには輪郭線がないのでしょう?
そもそも何故、日本のアニメーションには、輪郭線が必要なのでしょう?
これには理由があります。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『フルアニメーション』と『リミテッドアニメーション』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
アニメーションは“1秒を24コマ”で割ります。
『トイストーリー』などの『フルアニメーション』は、“1コマに1枚”の絵を挟んでいます。
つまり、1秒を仕上げるのに24枚の絵が必要なんですね。
一方、
予算の少ない日本アニメの『リミテッドアニメーション』は、“3コマに1枚”の絵を挟みます。
つまり、1秒を仕上げるのに8枚の絵が必要となります。
映画『えんとつ町のプペル』も御多分に漏れず『リミテッドアニメーション』です。
当然、枚数が多い方が動きがなめらかになりますから、『フルアニメーション』の方が、より自然に近い動きになります。
このままだと分が悪い『リミテッドアニメーション』は、ここで、とんでもねー作戦に出ます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
人間は「境界線」を記憶する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
キャラクターがA地点からB地点まで移動する時には、当然、費やした枚数が多い方がスムーズになりますし、費やした枚数が少なければカクカクになります。
流れで移動している『フルアニメーション』に対して、『リミテッドアニメーション』は少しずつワープしている状態ですね。
このワープの間を埋める為に、なんと『リミテッドアニメーション』は【残像】を利用しているのです。
指を開いて、手を左右に振った時に、指が10本ぐらいに見えるアレです。
『リミテッドアニメーション』が輪郭線を入れている理由は、“しっかりとした線を入れることで、一つ前の位置(地点)を強く記憶させて、残像が残りやすいようにする為”なのです。
基本的にはCGのキャラクターには輪郭線は入れませんが、廣田監督が「CGキャラクターに輪郭線を入れたい」と言ったのには、残像を利用する狙いがあったわけですね。
日本アニメーションが世界と戦う為の戦略としては、とても正しい判断だと思ったので、もちろん廣田監督の提案はGOです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ディズニー退治
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鬼のようにリスペクトをしていますが、ディズニーは僕らと同じようにエンタメを提供する集団であり、ライバルです。
もちろん、挑ませていただきますし、きっと僕らは勝てると思います。
表では「映画の公開日を(ディズニーが弱めの)ジャングル系の作品の真裏にぶつける」と言っていますが、本音は『アナと雪の女王2』の真裏にぶつけたいと思っています。
一番強いところを叩きたいです(*^^*)
力を貸してください。
連日の暑さで頭がやられてしまって、こんなことになりました。
西野亮廣エンタメ研究所の入会ページのリンクはこちら
コメント