オンラインでしかできないこと

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この記事は1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事です。

2020年5月2日
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おはようございます。
皆を楽しませる服を着ている人が急激に色っぽく見えてきたので、コロナ明けはひたすらカラフルなファッションに様変わりしているかもしれないキングコング西野ぱみゅぱみゅです。

さて。
今日は『オンライン化の際の注意点』について、お話ししたいと思います。

コロナちゃんのおかげで、リアルで集まることが厳しくなった今、オフラインでおこなっていたことをオンライン化して、どうにかこうにか収益化する流れが生まれています。

たしかに、ライブ会場で、実店舗で、売り上げを上げられないのですから、オンラインでどうにかするしかありません。

ただ、その際、僕らが踏まえておかなくちゃいけないことが一つあります。
それは…

「今、オンライン化の対象になっているものは、すでに何年もかけて磨きあげられ、この上なく最適化された(皆が納得した)形である」

ということです。

たとえば、『ライブ』。

日本のライブ史を振り返ると『能』に辿り着きます。
能を披露するステージ(能楽堂)は、登場口(揚幕)から斜めに伸びた渡り廊下(橋がかり)を渡って、三本の松を横切り、本舞台へと向かいます。
今、思うと少し歪(いびつ)な形ですよね。

その後、ステージに向かう斜めの渡り廊下が無くなり、客席後方から出てくる「花道」が生まれ、『歌舞伎』のステージが誕生します。

そこから、さらに何百年もかけて「こっちの方が観やすいよね」「いやいや、こっちじゃね?」というアップデートが繰り返され、ライブ会場は今の形に辿り着きました。

『ライブ』で最適化されたものは、ステージの形だけではありません。

ライブが始まるまでのお客さんの感情(興奮)の導線設計や、
お客さんとの共犯関係を生む演出や、
匂い、温度…、そこには様々なものが存在し、それら全ては、トライ&エラーを繰り返し、今の形になっています。

今のライブの形は「人類の総意」であり、一つの「到達点」なので、「コロナちゃんのおかげでリアルイベントができなくなったので、ライブを生配信に切り替えよう。新時代だー!」と無計画にオンライン化したところで、これまで『ライブ』が提供していたサービス内容の1割も切り取れていません。

オンライン化したことによって、「つまらないもの」になってしまうわけですね。

一流の職人が握った寿司に、最近流行りのケチャップをかけて食べるようなものです。
(#この喩えは絶対に間違っているので忘れようぜ)

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▼ オンラインでしかできないこと何だ?
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リアルでおこなっていたサービスをオンライン化する時は、そこに「オンラインにしたことによって生まれた新たな価値」がなくてはいけません。

言い換えると、「オンラインでしかできないコト」をデザインしなくちゃいけません。
そこがないと100発100中で負けます。

それは、ほんの一工夫で良くて…

たとえば、昨夜、『西野亮廣オンライン講演会』がありました。

もともと予定していたリアルの講演会ができなくなってしまったので、主催者さんの意向により、「オンラインイベント」に切り替えることになったのですが、【ステージ上で喋る西野をカメラで撮って生配信】にしてしまうと、「それだったら、リアルイベントの方がいいじゃん」となってしまうので、ここで、『オンラインにしかできないこと』を考えます。

さて、どうしましょう?

昨夜は、僕のアトリエから配信し、カメラを正面ではなく、僕の横に置いて、横から僕の上半身(胸から上)を狙いました。

お客さんを隣に座らせたわけですね。

出演者とお客さんの位置関係が正面だと「1対全員」になりますが、位置関係が隣だと「1対1」になり、登壇者というよりも、家庭教師に近い存在になります。

リアルイベントで、1000人近く(8日の講演会では1万2000人)のお客さんを隣に座らせることは物理的に不可能ですが、オンラインだと、たったカメラ位置を変えるだけで可能です。

『隣』に座れるのって、左右合わせて最大二人までなので、メチャクチャ稀少価値が高いのですが、それを1000人や万人相手にやれる。
これは、『オンラインでしかできないこと』です。

僕らは今、あらゆるサービスのオンライン化を求められています。
その時、そのままオンライン化(スケールダウン)するのではなく、たとえばこんな一工夫を加えて、お客さんに「なるほど!これだったら、オンラインの方がいいじゃん」と思ってもらうところまで持ち込んだ方が絶対にいいゾ(#突然のクレヨンしんちゃん)

飲食サービスを「テイクアウト」「デリバリー」に移行する時も考え方は同じで、無計画に料理を提供してはダメで(それだと売り上げが落ちるので)、「テイクアウト」や「デリバリー」でしかできない提供の仕方で料理を提供することが大切です。

「このクイズを解いた者が勝つ」というのが今ですね。

クイズを解くのは得意なので、今回の「カメラ位置」のように、オンラインならではの価値を見つけたら、すぐにここで共有しますね。

僕は今日も1日頑張ります。
あなたも頑張って。

現場からは以上でーす。

【追伸】
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