「コミュニティー外商品」と「コミュニティー内商品」

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この記事は1年前の西野亮廣エンタメ研究所の記事です。

2020年9月27日
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こんにちは。
さっき、近所の公園で絶望的に婚期が遅れているセミを一匹見つけたキングコング西野です。
#めっちゃ鳴いてたけど
#さすがに分が悪すぎる
さて。
今日は『商品のコミュニケーションツール化』というテーマでお話ししたいと思います。
結構、いろんな人に関係する話だと思います。
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▼ 「コミュニティー外商品」と「コミュニティー内商品」
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今年のクリスマス公開に向けて、今、映画『えんとつ町のプペル』をせっせと作っています。
すでに、いくつかの国から劇場公開の話をいただいていて、(コロナの状況を見ながら)海外も攻めて行きます。
世界戦になると、「『えんとつ町のプペル』がどうやって作られたか?」「国中から攻撃された作者の背景」といった部分は集客や評価にカウントされず、純粋な「品質勝負」となります。
映画の世界戦となると、「参加できる余白のデザイン」なども語られません。
そこは「郷に入れば郷に従え」で、相手がハリウッドであろうが、そのルールにのっとって、品質の殴り合いをして、力でねじ伏せようと思います。
#たぶんイケると思います
一方で、スナック経営は違います。
ママが酔っ払って寝ちゃおうが、回る店は回ります。
こちらは「品質勝負」などではなく、「余白勝負」で、「参加できる余白が上手に設計できているか、否か?」が求められます。
僕らはまず、自分が提供している商品を「コミュニティー外商品」と「コミュニティー内商品」に分けなければなりません。
それぞれ求められているものが違うからです。
コミュニティー外商品には「品質」が求めれて、
コミュニティー内商品には「余白」が求められています。
もっと言うと、
コミュニティー外商品のクオリティーというのは「品質」のことで、
コミュニティー内商品のクオリティーというのは「余白」のことです。
#クオリティーの定義が違うんですね
#ここテストに出るよ
一番やっちゃダメなのが、「コミュニティー内商品なのに、余白を削って、品質を追求する」です。
スナックの一日ママをやるからといって、エピソードトークを仕込んできて、営業時間中、隙間なく喋ってしまうと、お客さんが参加する余白がなくなり、スナックの価値(クオリティー)が落ちます。
この、「そもそもコミュニティー内商品なのに、コミュニティー外商品の作り方をしてしまっている」という事故は各地で多発していて、サロンメンバーさんのお仕事の相談にのる度に、「いやいや、あなたのお店はコアファンが100人いれば十分回るでしょ。今、あなたがやっているのは、サービス内容も広告の打ち方も、『数万人向けのサービス』のやり方だよ」と、よく言っています。
(※こうなってしまう原因は、「ビジネス書やインタビューに登場する【参考にしている人物】が、数万人向けのサービスをしているから」があると思います)
「地元の床屋さん」を経営するのであれば、SNSで発信するよりも、地元の祭りのお手伝いに参加して『人』として繋がっておいた方が、よっぽど集客に繋がります。
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▼ あるTシャツ屋さんの経営戦略
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先日、刺繍・プリント各種・縫製各種を行っている工場を経営されているサロンメンバーの『妹尾さん』から、「ワーキングウエアの加工や、ライブTシャツを作ったりしているのですが、これからどうすればいいですかね?」という御相談をいただきました。
相談を受けてすぐに競合他社のサービス内容を調べてみると、どこも低価格&高品質勝負に参加しています。
#THE薄利多売
とりあえず、妹男さんには「低価格&高品質勝負は業界最大手にしか明るい未来がないので、まずは、そこに参加しないことを決めましょう」と伝え、「さて、どうしたもんか…」と考える西野氏は、競合他社のサービスを片っ端から見漁ります。
すると、やっぱりどこも低価格&高品質を売りにしていて、よくよく見ると、全て「コミュニティー外商品」なんです。
このあたりから西野氏がニヤニヤし始めるわけですが…
服の役割って、「着る」「暖をとる」「ファッションアイテム」の他に、【コミュニケーションツール】というのがあるじゃないですか?
「このバンドがお好きなんですか? 僕もです!」と話しかけられるライブTシャツには、「ファッションアイテム」の他に、【コミュニケーションツール】の要素が入っていますし、
友達の誕生日パーティーの時だけしか着れないような「誕生日の友達の顔写真が入ったオリジナルTシャツ」なんて、【コミュニケーションツール】以外の何物でもありません。
んでもって当たり前っちゃあ、当たり前なのですが……コミュニケーションツールって、「コミュニティー内商品」なんですね。
そこには「品質」よりも、「余白」の方が求められている。
「友達の誕生日と時にギャグで作るオリジナルTシャツ」や、家着としてしか着れない「可愛い我が子が描いた絵をプリントしたオリジナルTシャツ」に求められているのは、参加できる余白……つまり、「作りやすさ」です。
「品質が良い」に越したことはないですが、それより何より、「サクッと作れる」の方が優先度が高いです。
くれぐれも、外に向けた商品じゃないので。
そこで妹尾さんには…
「オリジナルTシャツの制作を『洋服制作』や『ファッションアイテム制作』として打ち出すのではなく、『コミュニティーツール制作』として打ち出して、コミュニティー内商品として売り出してみましょう。
その際、求められているのは『サクッと作れる』なので、『Tシャツにプリントする絵を【データ】で受け取る』は絶対にNGで、【写メ】で受け取って、それをTシャツにプリント(刺繍)してください」
と提案してみました。
新サービス『写メからTシャツ』です。
加えて、「こんなサービス、どこにでもあるし、誰でも真似ができるので、名前(サービス名)をとった方がいいですよ。『写メ』『オリジナルTシャツ』で検索上位にくるように」とお伝えしました。
『写メからTシャツ』は、たぶん需要があると思うのですが、需要が無いかもしれないので、まずはクラウドファンディングを予約販売サイトとして利用して、リターンとして『写メからTシャツ』のサービスを始めてもらうことにしたのですが、開始から2日で50万円以上の売り上げが出ました。
どうやら需要があるみたいです(^o^)
あとは妹尾さんの頑張り次第。
こういった感じで、まずは自分が手掛けている商品が、「コミュニティー外商品なのか?」それとも「コミュニティー内商品なのか?」をキチンと整理して、「コミュニティー内商品」ならば、その商品をコミュニケーションツール化することで話を進めると、鉱脈が見えてくる場合があるので、一度、試してみてくださーい。
現場からは以上でーす。
【追伸】
サロン記事の感想を呟かれる際は、文章の最後に『salon.jp/nishino』を付けて《本垢》で呟いていただけると、西野がネコのようになつく場合があります。
https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/1997

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